仮想共闘関係、共通の敵を作るとクレーム対応は楽になる

「優待券に書いてある内容と違うじゃないか! 不当表示だ!」
〇〇新聞の夕刊編集部に怒りの入電があった。

電話の主は、夕刊の旅コーナーで行っているプレゼント企画の、宿泊優待券が当たった方だった。
毎週抽選を行っている人気コーナーで、全国各地の旅館の優待券が当選する。
例えば、¥15,000のところを、半額になったりする優待券だ。

「初めて当選して、楽しみにしていったのに、料理は書かれているものがないし、部屋も狭くて写真と違う。伊勢海老の活け造りプランに伊勢海老が無いっておかしいだろう」
とまくしたてられて、記者さんは返す言葉に困ったという。

クレームの原因は編集部ではなくて、宿側にありますね。
でも、お客様にとっては、怒りのぶつけどころがなかったのでしょう。
聞けば、このようなクレームが年1~2回あるらしいです。

年1~2回。。。。数は少ないですが、そのたびに2~3時間、愚痴を聞くのも効率が落ちますよね。
少ないけれど、再現性のあるクレームは、対応方針を決めておいた方が良いのです。
今日は、そんなお話です。


さらに男性は、こう続けられたそうです。
「書いてあることと違うサービスを提供するような宿を、天下の〇〇新聞さんは掲載するのか?もう、何年来も〇〇新聞を取っているが、残念でならないよ」

そこまで言われると、もうぐうの音も出ませんね。
まずは、目の前の男性の対処法、そして今後の対応について考えていきましょう。

まず、男性の対処ですが。。。。
これは長期戦を覚悟してください。怒り、こぶしの落しどころがないイライラをあなたにぶつけています。
これは、もう、サンドバックで聞き切るしかないですね。
実際、この方は3時間くらい話をしていて、奥様らしき方が後ろから
「もう、いい加減にしておきなさいよ」
と言われて、会話が終了したそうです。

私だったら、
「えぇΣ(゚Д゚) そんなことがあったのですか、詳しく聞かせてください。」
と話を聞いたうえで、宿を悪者に、男性を善意の第三者として褒めたたえます。
つまり、宿屋を共通の敵として仮想共闘関係を演出するのです。

「そうですか、それは大変ご迷惑をかけました。今後の方に迷惑をかけないためにも、掲載を永久に見送ったほうが良いですね。貴重で、かつ言いにくいことを教えていただいて、ありがとうございます」
なんてね。

さて、今後の対応です。
これは仕組みの話になりますが、新聞社側は、宿に優待券を発行してもらいたいという思惑があります。
抽選狙いの読者が増える。旅コーナーの企画が埋まる。というメリットがあります。
宿側は、新聞に掲載される、というメリットがあります。
優待券は割引券なので、利益率の少ないサービス提供になるでしょうが、宣伝広告費と考えれば、安いものでしょう。

掲載にあたって、締切や文字数制限などの取り決めはあったみたいですが、提供サービスについての取り決めは特になかったそうです。
せっかく、クレームをいただいたので、取り決めしていきましょう。

※優待券に記されたサービス、紙面で紹介したサービスを、提供すること。
 万が一、提供したサービスが記載と違った場合、今後の紙面掲載をお断りいたします。
というような条文をいれておき、宿側とのコンセンサスを取っておきましょう。
抑止力になりますし、もし再度同じことがあった場合、もめることなく通告できます。

そして、同じようなクレームが発生した場合は、上記のような対応を取っていることを説明したうえで、宿側を悪者にしていきましょう。

クレームが発生しない仕組みづくりと、起きた場合の対処法はプロにお任せ!
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「えぇΣ(゚Д゚) そんなことがあったんですか!それは、大変ご迷惑をかけました。ありえない対応ですね」
仮想共闘関係が出来ると、クレーマーは味方になります。
是非一度、お試しあれ

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